【失楽園】マキマさん(チェンソーマン)の部屋にある絵画|ルシファーの堕天

    ルシファーの堕天(堕落)の理由は、神様に反逆したからという理由で語られます。結論としては正解ですが、あくまで結論であり、もっと深い霊的なストーリーがあると理解が深まります。何が起きたかというと、自己神格化(自分が神になろうとした)と傲慢(謙遜の喪失)です。これは魂の堕落でもありました。この言葉だけでは概念的にしか理解できないでしょう。大前提、ルシファーだけではなく、すべての人間にも言えることなのです。神話だとか他人事だと思わず、自分事として考えてみていただきたい内容として解説していきます。


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    『私は天に上り…いと高き方のようになろう』

    空前の大ヒットにもなった「チェンソーマン」の漫画にも出てくる、マキマさんの部屋に飾ってある絵画に気づきましたか? ギュスターブ・ドレ制作の「失楽園」という絵画です。こちら、何を題材にしているかというと「ルシファーの堕天」です。一体、ルシファーとは何者なのか? 堕天とは何を意味して、なぜ堕天したのか? 理由を含めて解説していきます。

    ルシファー 堕天 理由

    ルシファーは「最も美しく輝くケルブ」だった

    ルシファー 堕天 理由

    すべては聖書に書かれています。このルシファーは、創造主なる神様の栄光を映し出す、高位の天使(ケルブ)として創造されました。たくさんの天使がいる中で、最も大いなる天使長でもあったということです。聖書のエゼキエル書では、彼の創造時の栄光についてこう語られています。

    …あなたは知恵に満ち、美しさの極みであった。
    あなたは神の園エデンにいて、…あらゆる宝石で飾られていた。
    あなたは油注がれた守護者のケルブであった。
    私はあなたを神の聖なる山に置いた。
    あなたは火の石の間を歩いていた。
    あなたは創造されたその日から、
    あなたのうちに悪が見いだされるまで、あなたの道はまったく完全であった。
    あなたの美しさのために心は高ぶり、
    栄光のために知恵を腐らせた。

    旧約聖書 エゼキエル書28:12–17

    なんという、あまりにも豪華で偉大な存在かのように創造されたのでしょう!このように、ルシファーは他のどんな被造物の中でも、もっとも美しく素晴らしい輝きをもって創造されたのです。ちなみに、被造物とは物質の話ではなく、人間含めてこの世界のあらゆるものが被造物です。なぜなら、神様がすべてを造られたからです。ともあれ、その美しさと高い地位ゆえか、ルシファーの心は次第に狂っていったのです。


    神になろうとしたルシファー

    非常に残念なことですが、抜きん出た存在というのは、時によからぬ精神を抱くようですね。ルシファーの堕落の内面を最も明確に示しているのが イザヤ書14章 にあります。

    あなたはさきに心のうちに言った、 『わたしは天にのぼり、 わたしの王座を高く神の星の上におき、 北の果なる集会の山に座し、 雲のいただきにのぼり、 いと高き者のようになろう』。

    旧約聖書 イザヤ書 14:13-14

    この言葉に、堕天の理由のすべてがあります。

    • 神様のようになりたい
    • 自分こそ最も偉大であるべきだ
    • 与えられた立場に満足しない
    • すべての尊敬の目を集めたい

    反逆という一言にまとめる前に、この高慢な精神があってこそという大前提があったのです。清い、または無垢なる魂が、尊敬すべき神様から自己こそ第一へと反転した瞬間です。こういった、自分自分自分・・・という行き過ぎた高慢な精神は、人間にもいえるかもしれませんね。


    謙遜と感謝を捨てたとき、魂は崩れ始める

    ルシファーは、自分が被造物(創造された存在)であることを忘れました。

    • 高ぶらず、柔和で謙遜な心
    • 与えられたことへの感謝
    • 神様への敬い

    これらを捨てた瞬間、ルシファーの魂は内部から崩れ始めました。エゼキエル書では、こう続きます。

    あなたは自分の美しさのために心高ぶり、 その輝きのために自分の知恵を汚したゆえに、 わたしはあなたを地に投げうち、 王たちの前に置いて見せ物とした。

    旧約聖書 エゼキエル書 28:17

    高慢こそが、堕落の第一の原因です。


    ついに天から落とされたルシファー

    ルシファーの心が、完全に自己の王座へと傾いたとき、天にいる場所を失いました。神様と共に生きることができなくなりました。反逆が起こります。ヨハネによる黙示録では、その瞬間をこう語ります。

    天で激しい戦いが起こった。ミカエルとその使いたちが竜と戦い、
    竜もその使いたちも応戦した。
    しかし彼らは勝てず、
    天にはもう彼らのいる場所がなくなった。
    この巨大な竜、すなわち悪魔とかサタンと呼ばれ、
    全世界を惑わす古い蛇は投げ落とされた。
    彼は地上に投げ落とされ、彼の使いたちも彼と共に投げ落とされた。

    新約聖書 ヨハネの黙示録 12:7–9

    さらに、そのとき 天使の3分の1 が一緒に堕落したと示唆されています。ルシファーだけではなく、彼に扇動されて反逆を起こした天使たちがいたのです。

    その尾は天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落した。龍は子を産もうとしている女の前に立ち、生れたなら、その子を食い尽そうとかまえていた。

    新約聖書 ヨハネの黙示録 12:4

    星=天使の象徴。これが悪霊、悪魔などと呼ばれる存在です。そして、龍は聖書の比喩表現でもありますが、堕落したルシファー(サタン)の象徴です。


    イエス様(神様)も見ていた

    ルシファー 堕天 理由

    これらルシファーたちの堕落は、主イエス様ご自身がその瞬間をご存じでした。なぜなら、この方こそ創造主でもあったからです(父、子、聖霊の三位一体)。

    彼らに言われた、「わたしはサタンが電光のように天から落ちるのを見た。

    新約聖書 ルカによる福音書 10:18

    イエス様のこの言葉は、ルシファーの堕天が事実であることを裏付けています。サタンの正体であり、由来です。


    行き着いた先は、人間への憎しみ

    天を追放されたサタン(堕落したルシファー)が行き着いた先、それは私たちの住まう地球でした。なぜでしょうか?その明確な理由は明記されていませんが、こうも推測できます。サタンは神様を激しく妬んだでしょう。しかし、神様を降ろすことなどできるわけがない(=望みが叶わない)。ならば、神様の最も愛しているものを傷つければいいんだという精神が働いたのだと思います。その対象が人間でした。

    神様がどれだけ人間を愛しておられるかは、聖書を読まずして理解はできません。少し話はそれますが、聖書は全人類に向けた神様のラブレターだとも言われています。


    サタンによる、アダムとエバの堕落

    蛇信仰 なぜ

    聖書の初めのはじめにある、創世記の蛇の誘惑——これはサタンの働きです。驚くほど早く、サタンは早々に人間に近づきます。いつだって狙っていたことが見て取れるのです。

    さて主なる神が造られた野の生き物のうちで、へびが最も狡猾であった。へびは女に言った、「園にあるどの木からも取って食べるなと、ほんとうに神が言われたのですか」。

    旧約聖書 創世記 3:1

    へびは女に言った、「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。 それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」。

    旧約聖書 創世記 3:4-5

    サタンは蛇の姿をとり(または乗り移り?)、エバに近づきました。人間は悪魔の話に耳を貸してしまい、あっという間に堕落してしまいました。ここから、今現在も続く人間の堕落・悲しみの道が始まったのです。


    ルシファーの精神は今の時代にも広がっている

    この世の神 サタン 目的

    ルシファーの堕落は古代の話ではありません。堕落したルシファーであるサタンは、この地上歴史が始まった最初の頃から現代にかけても生きており、絶えず人間を内側・外側から破壊し続けています。先ほど、聖書は神様からのラブレターだとお伝えしましたが、もう一つの側面があります。それは、警告です。サタンというこの邪悪な存在を警告しているのです。聖書以外に、悪魔に関する真実の姿は描かれておりません。ルシファーの誕生から堕落、現在はサタンとなって全世界に悪を撒き散らしている存在がいることを、聖書以外で正しく書かれているものはありません。神様が人間に向けて警告しているのです。

    チェンソーマンという悪魔を主題にした漫画

    大前提、私はチェンソーマンをそこそこ楽しんで読んでいました。物語として面白くもあるものの、クリスチャンとして考えると複雑な気持ちにもさせられます。けれども、だからこそルシファーの堕落について考察もできたように思えます。

    ふと思ったのですが、メインキャラの一人でもある支配の悪魔・マキマさん。彼女はルシファーを示しているのかもしれませんね。支配はサタンのお得意分野です。全世界の人類を支配しています。まるで奴隷のように、目には見えない霊的な鎖によって、罪に繋げています。そこに愛などありません。しかし、神様によって救われた人々は、その悪魔の鎖から解き放たれ、この悪に満ちた世界に対して新しい目と心をもって生きています。まぁ、それが私なんですけども。

    サタンの心が植え付けられていませんか?

    人は生まれた時から罪人、なんてニュアンスの言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、事実そうです。罪という概念を理解していないと、まるで犯罪か何かのように結びつけて自分事化できない話でもありますが・・・。聖書では、罪というのはもっと根源的・霊的な概念であり、旧約・新約を通して一貫した「本質」があります。ここについてはまた別の記事で書き記したいと思います。ともあれ、この記事でお話ししたルシファー(サタン)は、下記のような精神によって罪に陥り、取り返しのつかない堕落へと自ら落ちていきました。

    • 承認欲求
    • 比較
    • プライド
    • 驕り
    • 自分が最も正しいという思い
    • 自己中心性
    • 感謝の喪失

    そして、人間の魂にも静かに忍び寄り、蝕んでいる「堕落の形」なのかもしれませんね・・・。


    ルシファー堕落の「まとめ」

    1. 自分自身を神にしようとした(自己神格化)
    2. 美しさと地位に心が高ぶり、謙遜を捨てた
    3. 神様への感謝を失い、魂が内側から腐れ始めた
    4. 高慢が彼を神の臨在から遠ざけ、自ら天を離れた
    5. 地上で人間を誘惑し、自分と同じ堕落へ引きずり込んだ

    ルシファーの堕天は、神様がただ罰した物語ではありません。ルシファーの自分の心の選択が、自分の行き先を決めたのです。これは、今を生きる私たちにも通じる霊的教訓ですね。


    ルシファー 堕天 理由

    \ 神・天使・悪魔、そして人間の原罪をめぐる巨編! /

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