サタンに縛られていた私の過去

私は長い間、神様を知りませんでした。存在の有無もわかりませんでした。空想上の偶像のような存在だと思ったこともありました。やがてスピリチュアルな世界に傾倒していくと、自然や宇宙が神だと思い、人間は創造主になれるとすら考えていました。いわゆる、八百万の神という日本の信仰とか、アミニズムに近い感覚です。
よって、イエス様も救い主ではなく「啓発者」「アセンデッドマスター」「宇宙人」などとしか捉えられず、真理から目を逸らされていました。それはまさに 「この世の神が人々の思いを曇らせる」(2コリント4:4)状態でした。このような思想に縛られたいたのが、過去の私です。
サタンの目的は神様になること
サタンという私たちの敵を知る前に、神様を知る必要があります。本物を知らずして、偽物を見分けることなどできませんから。結論からいいますと、神様はイエス様です。正しくは、父・子・聖霊といった三位一体で神様です。人間のように感情や人格をお持ちであり、このように三位一体なところが、人間と似て非なる存在です。
いえ、この全世界において神様と同じ存在などいません。不思議で神秘な方です。それでいて、ご自身の姿形を人間を通して表されている愛のお方です。
初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。 この言は初めに神と共にあった。
新約聖書 ヨハネによる福音書 1:1-2
この終りの時には、御子によって、わたしたちに語られたのである。神は御子を万物の相続者と定め、また、御子によって、もろもろの世界を造られた。 御子は神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿であって、その力ある言葉をもって万物を保っておられる。そして罪のきよめのわざをなし終えてから、いと高き所にいます大能者の右に、座につかれたのである。
新約聖書 ヘブル人への手紙 1:2-3
これらのことを語り終えると、イエスは天を見あげて言われた、「父よ、時がきました。あなたの子があなたの栄光をあらわすように、子の栄光をあらわして下さい。 あなたは、子に賜わったすべての者に、永遠の命を授けさせるため、万民を支配する権威を子にお与えになったのですから。 永遠の命とは、唯一の、まことの神でいますあなたと、また、あなたがつかわされたイエス・キリストとを知ることであります。 わたしは、わたしにさせるためにお授けになったわざをなし遂げて、地上であなたの栄光をあらわしました。 父よ、世が造られる前に、わたしがみそばで持っていた栄光で、今み前にわたしを輝かせて下さい。
新約聖書 ヨハネによる福音書 17:1-5
本物に似せた偽物
サタンの目的は、神様になることです。神様以外は被造物であり、創造主たる神様ではありません。しかし、サタンは弁えず、神様を崇めることをせず、驕り高ぶって神様になりたがるのでした。
だからこそ、サタンは神様を恨み、そして神様の愛している人間という存在が許せませんでした。神様から遠ざけ、むしろ自分を礼拝しろと仕向けるのです。サタンは真理に似せた偽物を提示して、人間を誤った道へ導きます。たとえば・・・
- 「自然や宇宙が神」 → 神が造られた被造物を拝ませ、創造主ご自身から目を逸らさせる。
- 「人間が創造主になれる」 → 創世記3章の蛇の誘惑「あなたがたも神のようになれる」(創世記3:5)そのもの。
- 「イエス様はただの啓発者」 → 神の子・救い主という本質を否定し、単なる教師や霊的存在に矮小化する。
- 「アセンデッドマスターや宇宙人」 → 偽りの霊や異教思想を通して、信仰を混乱させる。
これは「気持ちが大きくなる」「自分には力がある」と錯覚させる一方で、本当の自由ではなく、サタンの奴隷として縛られる結果となります。
聖書が語るサタンの危険性
聖書は神様の霊(聖霊)に導かれて、その時代の人間が書いてきた書物です。本でありながら、歴史書であり、ラブレターのようなもの。そこには、サタンの危険性も記載されています。
ちなみに、サタンは単なる「象徴」や「比喩」ではありません。聖書は彼を具体的に「人を殺す者」「全世界を惑わす者」として書かれています。この敵を知らずして、人間は「自分が惑わされていたなんて」気づくわけもないのです。それほど巧みです。
- 人殺し:「彼は初めから人殺しであり、真理に立ってはいない」(ヨハネ8:44)
- 自然界を揺るがす力:ヨブ記ではサタンが神の許しを得て嵐を起こし、人々を滅ぼした(ヨブ1:19)。
- 災害・飢饉:黙示録では、サタンの支配の下に「飢饉」「地震」「戦争」が描かれる(黙示録6:3-8)。
- 全世界を惑わす者:「あの大きな竜…悪魔とかサタンとか呼ばれる者、すなわち全世界を惑わす者が投げ落とされた」(黙示録12:9)。
つまりサタンは、個人の心だけでなく、社会・歴史・自然界にまで影響を及ぼす恐るべき存在なのです。
現代社会に働くサタンの策略

身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食いつくすべきものを求めて歩き回っている。 この悪魔にむかい、信仰にかたく立って、抵抗しなさい。あなたがたのよく知っているとおり、全世界にいるあなたがたの兄弟たちも、同じような苦しみの数々に会っているのである。
新約聖書 ペテロの第一の手紙 5:8-9
この世では、サタンが私たち人間を陥れるための罠を用意しています。その先には、血に飢えた猛獣のような悪霊がいるのです。気をつけてください。
① スピリチュアルと自己啓発の罠
「引き寄せの法則」「宇宙とつながる」など、一見ポジティブな言葉で人を惹きつけます。しかしそれは「自分が神になれる」という古代の蛇の嘘に直結しています。
② メディアと娯楽を通した盲目化
テレビ・SNS・ゲーム・音楽…快楽や情報の洪水の中で、人々は神を考える時間すら奪われています。サタンは「思いをくらませる」ために(2コリント4:4)、絶え間なく気を散らす仕掛けを使います。
③ 経済と物質主義
金銭・成功・ブランド…サタンは「富と快楽が人生の目的だ」と囁きます。しかしイエス様は「神にも仕え、また富にも仕えるということはできない」(マタイ6:24)と断言されました。
④ 宗教と偽りの霊
「平和」「愛」「調和」という言葉を用いながら、実際には聖書を否定し、イエス・キリストを軽視する宗教運動やニューエイジ思想もあります。これも「光に似た闇」です。
⑤ 政治・権力構造
サタンは「この世の君」と呼ばれる(ヨハネ12:31)ように、権力や国家の仕組みを通して人を支配しようとします。暴力や戦争、分断を引き起こす背後にはサタンの影があります。
サタンの特徴10カ条(聖書付きまとめ)
No. | サタンの特徴 | 説明 | 聖書箇所 |
---|---|---|---|
1 | この世の神 | 人々の思いをくらませ、真理を見えなくする | 2コリント4:4 |
2 | 光に変装する | 光の御使のように装い、偽物を本物に見せる | 2コリント11:14 |
3 | 初めから人殺し | 嘘と殺人の父、破壊をもたらす者 | ヨハネ8:44 |
4 | 全世界を惑わす者 | 国々を欺き、混乱と分裂を広げる | 黙示録12:9 |
5 | 嘘を吹き込む | 「神のようになれる」と人間を誘惑する | 創世記3:4-5 |
6 | 試みる者 | イエスをも荒野で試みたが、御言葉に敗北した | マタイ4:1-11 |
7 | 苦難を与える | ヨブに災害や病を与えた(神の許しの範囲で) | ヨブ1:12, 1:19 |
8 | 不法の者を支配 | 世の権力を動かし、不法を広める | 2テサロニケ2:9-10 |
9 | 神の言葉を奪う | 蒔かれた御言葉を取り去り、信仰を妨げる | マルコ4:15 |
10 | 最後に滅ぼされる | 火と硫黄の池に投げ込まれ、永遠に裁かれる | 黙示録20:10 |
イエス様による恵みと解放
しかし、ここに大きな恵みがあります。私の話ですが、サタンに惑わされ続ける者ではなく、イエス・キリストこそ真の神・救い主であることを知ることができました。これは完全に聖霊の働きです。「真理の御霊が来るとき、あなたがたをすべての真理に導くであろう」(ヨハネ16:13)。まさしく、アーメンです。
イエス様がこの地上に来られた目的
このように、子たちは血と肉とに共にあずかっているので、イエスもまた同様に、それらをそなえておられる。それは、死の力を持つ者、すなわち悪魔を、ご自分の死によって滅ぼし、 死の恐怖のために一生涯、奴隷となっていた者たちを、解き放つためである。
新約聖書 ヘブル人への手紙 2:14-15
サタンは人を盲目にし「神様を知ろうとしない心」にしてしまいます。神様と人間の間に罪を置き、引き離すのです。しかし神様の恵みは、イエス様がこの地上に来られたと形で、「心の覆いを取り去り、イエスを主と告白する自由」を与えてくださるのでした(2コリント3:16-17)。奴隷解放のために。
サタンに惑わされないで!
この世を生きている私たちにとって、誘惑はたくさんあります。そして、サタンは甘く魅力的な言葉で近づきますが、その先にあるのは死と滅びです。しかし、イエス様に従う者には勝利の約束が与えられています。これを忘れないでください。私も忘れないように、日々イエス様に繋がっていたいと思います。
そういうわけだから、神に従いなさい。そして、悪魔に立ちむかいなさい。そうすれば、彼はあなたがたから逃げ去るであろう。
新約聖書 ヤコブの手紙 4:7
今この瞬間も、サタンは世界を惑わしています。それでも、イエス様に従う者は決して惑わされず、真理の光の中を歩むことができるのです。なぜなら、イエス様はサタンよりも遥かに強いお方であり、唯一の本物の神様なのですから。偽物は本物に勝てるわけがありません。
人間は弱いですが、だからこそイエス様に寄り頼んで生きていけるのです。この愛からは引き離せません。


