コロナ禍から、「風の時代」という言葉を耳にする機会が増えましたよね。占星術やスピリチュアル系のメディアでは、「これからは風の時代」といったフレーズが頻繁に使われています。しかし、この「風の時代」という概念には科学的根拠が乏しく、実際にはマーケティング戦略として作られたただの幻想なのです。
「風の時代」とは何か?
「風の時代」とは、西洋占星術における「グレート・コンジャンクション(木星と土星が約20年に一度、同じ星座で重なる現象)」の概念に基づいています。具体的には、木星と土星が同じ星座で接近する現象が約200年ごとに起こり、その度に時代のエレメントが変わるとされています。そして、2020年12月22日には、水瓶座でこの現象が発生し、「風の時代」が始まったとされています。
事実、コロナが世界的に大流行したこともあり、社会情勢が一気に変わっていきました。時代の節目だと感じるほどの、前代未聞のような出来事が起こりました。こういった現象からくる大衆の不安もあってか、「風の時代」という時代の変化を示す概念を多くの人が信じたのでしょう。それも、盲信的に。
「風の時代」を提唱したのは誰か?
そもそも、「風の時代」という言葉を広めたのは誰でしょう。おそらくですが、占星術師の鏡リュウジ氏やKeiko氏などでしょう。特にKeiko氏は、200年ごとにエレメントが変わるという占星術の理論を基に、「風の時代」という概念を提唱し、書籍やメディアで積極的に発信していました。明確にその言葉を使う前から、水瓶座的なキーワードをたびたび口にしていたようです。
科学的根拠はあるのか?
占星術自体が科学的に証明されているわけではありません。天体の位置が、人間の運命や社会の流れに直接影響を与えるという主張には疑問が残るのは事実。
例えば、木星と土星の接近が「風の時代」の始まりを示すとされていますが、実際にはその影響がどのように社会に現れるのかは明確ではありません。今回はコロナ禍と時期が大体重なったことで、いかにも予言が的中したように見えます。しかし、こういった現象は歴史を遡れば度々あったことです。人は自分の信じたいことを信じますから・・・。
ここからは、心理的な側面から「風の時代」を信じる人が増えたのかを解説します。
不安と「風の時代」の関係
1. 確証バイアス(Confirmation Bias)
人は、自分の既存の信念や期待に合致する情報を優先的に受け入れ、反する情報を無視したり否定したりする傾向があります。
- 風の時代を信じたい人は、「社会が軽やかになった」「情報が重要になった」という出来事だけを強調して解釈する。
- 逆に、矛盾する事実や科学的な根拠の欠如は「無視」される。
2. バーナム効果(Barnum Effect)
誰にでも当てはまる曖昧な言葉を、自分だけに特別に当てはまると感じる心理です。
- 占星術の性格診断や星座解説は、非常に一般的な内容でも「自分に当てはまっている」と思わせる。
- これにより、人は「信じたい」という感情を正当化できる。
3. 不安や不確実性の回避
人間は、未来や人生の不確実性に直面すると、心理的な安定を求めます。
- 「信じたいもの」に依存することで、漠然とした不安を軽減できる。
- 占い・スピリチュアル・風の時代のような概念は、安心感や希望を提供する。
つまり、「自分の信じたいことを信じる」は、単なる無知ではなく、人間の心理構造による自然な現象なだけです。しかし、意識せずにそのまま流されると、偶像や偽りに依存する危険も高まります。私はここが恐ろしい点だなと思っています。なぜなら、聖書的には、神以外のものに頼ることは注意すべき行為とされていますから。こういった霊的な寄り頼みは、霊的礼拝です。それは偶像礼拝であり、悪魔崇拝でもあるのです。
「風の時代」はマーケティング戦略だった
私もマーケターとして働いたことがあるので、この現象には「うまいことやったなぁ」という思いも正直あります。「風の時代」という言葉は、占星術やスピリチュアル系の書籍、セミナー、商品などの販売促進に利用されてきました。非常に印象的かつ、時宜を読み込んだコピーだと思っています。そして、これらのメディアは「風の時代」という概念を通じて人々の関心を引き、商品やサービスの購入を促進することを目的として、事実それが叶っています。
聖書では悪だと書かれている

あなたが追い払おうとしているこれらの国々の民は、卜者や占い師に尋ねるが、あなたの神、主はあなたがそうすることをお許しにならない。
旧約聖書 申命記 18:14
私がこの記事で一番伝えたいことがあります。「風の時代」の起源だとかマーケティングの話ではありません。もっと深い、根本的な目的であり、未来的な危険性についてです。どういうことかというと、聖書的に見ると非常に危険だからです。占星術や「風の時代」を過度に信じることは、悪魔崇拝と同じく霊的に危険な行為とされます。整理すると次の通りです。
1. 偶像崇拝の一形態
聖書では、神以外のものに人生や運命を委ねることは偶像崇拝として強く戒められています。
「わたしのほかに神があってはならない。」(出エジプト記20章3節)
「占い師、魔術師、口寄せ、霊媒師は主に忌みきらわれる。」(申命記18章10~12節)
「風の時代」は、人の心理や希望に訴えかける幻想です。根拠は天文学的にも社会的にも不確かですから。確かに現実は厳しい面がありますが、それはいつの時代でもそうです。あまり悲観的になる必要はないですし、心が不安になることは健康にもよくありません。また何よりも、これらを信じることは、神ではなく創作物に依存する行為になってしまうのです。
2. 悪魔的な心理操作の危険
占い師やスピリチュアル作家は、「軽やかに生きよう」「新しい時代が来る」といった心理的安心を与えています。気持ちのいい言葉です。多くの人が不安を抱える現代、風の時代に関する情報は伸びに伸びています。占い界隈だけではなく、ファッション系のメディアでも特集が組まれているのを見かけます。
- 人は不安や恐怖に対して弱く、安心を求める
- そこにつけ込む形で、人の心や行動を誘導する
聖書的に見ると、これは悪魔が人を惑わす手段に酷似しています。人間の弱さや不安につけ込み、真理から目をそらさせる行為です。悪魔の誘導に引っかからないようにご注意ください。
3. 自己判断を失わせる危険
風の時代や占星術に依存するとどうなるのか。ここをよく知った方がいいです。
- 自分の判断ではなく「時代の流れ」「占星術の法則」に従おうとする
- 結果として、主体的な生き方や神への信頼が置き去りにされる
聖書では、信仰とは神に従い、神の言葉に基づいて判断すること。偶像や幻想に頼ることは、霊的には重大な逸脱です。クリスチャンではない方は、「神様って存在するの?」「私の人生に関係ある?」なんて思う方もいるでしょう。占いの危険性を知り、神様を知ることで、このような疑問はすぐに晴れていきますよ。
まとめ
多くの場合、この「風の時代」を語る人たちは占い師やスピリチュアル作家であり、目的は 書いて食べることや、話題性を作るマーケティング に過ぎません。「軽やかに生きよう」「物質から精神へ」など、心地よい言葉で消費者の心理を操るわけですから。
占いは人間を神から遠ざけ、偶像崇拝へと誘う行為です。心理的に「当たっている」と感じても、それはバーナム効果や確証バイアスによる錯覚にすぎません。歴史や社会を学ぶことに比べれば、占いに依存する行為は時間と知性の浪費であり、聖書的には絶対的に悪とされます。
結論:風の時代は嘘。自分の生き方を自分で決める!!!