【パンがなければケーキを食べればいいじゃない】現代のマリー・アントワネットたち

    「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」――この言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。マリー・アントワネットが、民衆(貧しい人々)に向かって放ったとされる一言として有名です。その無神経さが象徴するように、彼女は「贅沢の権化」「革命の象徴」として歴史に刻まれました。でも、本当に彼女がそう言ったのか。真偽は怪しいのですが、この言葉が現代にも言えることだなと思い、物価高の今だからこそお話をさせていただきます。


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    パンがなければケーキを食べればいいじゃない

    パンがなければケーキを食べればいいじゃない

    このフレーズ、よくよく考えてみると、今の時代にも通じるなと思うのです。むしろ今は、「ケーキがなければパンを食べればいいじゃない」のほうがしっくりくるかもしれません。言いたいこととしては、ニュアンスは同じです。

    ともかく現代人はパンを食べすぎな気がします。私も人のことを言えません。朝ごはんも、昼のサンドイッチも、カフェのクロワッサンも。スーパーの袋パン、ドーナツ、ベーグル、ホットドッグ。パンは、もはや嗜好品であり、プチ贅沢でもあり娯楽の一種。

    ふらっと立ち寄るパン屋さんは、老若男女が参加できる小さな贅沢のお店。甘い香りに包まれて、手に取るとつい財布の紐がゆるむ。でも、会計時に「え、意外と高いな」と思うことも多い。それでも買う。手に届くプチ贅沢。パンの魅力は、まさに現代のケーキなのかもしれません。


    「お米がなければパンを食べればいいじゃない」時代?

    一方で、最近はお米の価格もじわじわと上がっています。一時期は、どこのスーパーに行っても売り切れで、入荷をしても制限がかけられたりと、お米不足が当たり前になる時代となりました。日本の食糧自給率は低いというのは、義務教育の時から学ばされて、現実的にも日々言われてきた、予知できた事態です。それでも、いざ本当にお米が不足して、価値が上がったり物価高になったりで、「その時」が来ないと危機を理解できないのが人間・・・。食卓の主食が揺らぎつつある今、もしマリー・アントワネットが現代にいたら、こう言うかもしれません。

    「お米がなければ、パンを食べればいいじゃない」

    時代が変わっても、人は代わりのものを探し、少しでも豊かに生きようとする。現代ならば、パン。とはいえ、パンも安いものもあれば高いものもありで、ピンキリではあるけれど。そうは言っても、現代のお米不足とパン人気は、皮肉にもマリー・アントワネットの言葉の本質をとらえている現象なのかもしれません。


    神話としてのアントワネット

    「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」という言葉、本当にマリー・アントワネットは言ったのでしょうか?実際には、人々にパンを分け与えようとしたという記録もあるようです。それなのに、後世では「無神経な王妃」として一人歩きしてしまいました。その当時、貧困問題も深刻だったのでしょう。現代とは比べられないほどに苦しい情勢があったことは容易に想像がつきます。そんな暗黒な時代、美しい宮殿で、美しく身を飾った可憐な女性は、きっと妬みの対象だったのかもしれません。

    マリー・アントワネットは、贅沢の象徴という物語を背負わされた存在かのように思われます。芸術やメディアが生み出す神話が、人の印象をどう塗り替えるのか――その好例とも言えますよね。


    パンは娯楽かもしれない

    結局のところ、現代の私たちはパンを買う自由を持っています(もちろんお米も)。しかも、主食としてでもいいし、お菓子としてでも。お腹が空いていても、空いていなくても、「なんとなく食べる」このその小さな贅沢。マリー・アントワネットの時代では考えられませんね!もしかすると、パンが食べられるというのは、大袈裟ながらも現代人のプチ幸福なのかもしれません。

    とはいえ、「みんなパンを食べすぎだよ」なんて勝手ながらに思っている自分がいますけどね。人のことを言えないのですが、自分でも思っている以上に、お米よりもパンばかり食べている気がします。健康を考えると、少し控えたいなとは思います。物価高や手軽さを考えると、自然とパンに手が伸びてしまいますが。


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