旧約聖書と新約聖書の違いと構成
聖書は、旧約聖書と新約聖書に分かれています。旧約聖書はモーセの時代から、イエス・キリストが誕生する数世紀前まで、非常に長い歴史の中で書かれた39巻の文書です。一方で、新約聖書は30~40年の短期間に書かれた27巻から成り、いずれも初代教会のクリスチャンたちが著者です。
新約聖書の時系列構成
新約聖書は、4つの福音書で始まります。ナザレで生まれたイエス様の生涯、死、そして神の子としての復活を記録しています。いずれも、旧約・新約の中でも読みやすく、初心者でも入っていきやすい聖書の黄金律ともいえます。
- マタイによる福音書:イエス様の生誕から始まり、その家系や幼少期について述べられています。イエスの宣教活動、説教、奇跡、そして最終的にエルサレムでの受難、死、そして復活が詳細に描かれています。
- マルコによる福音書:行動重視のスタイルで知られています。イエス様の奇跡や説教、十字架上での受難と復活が中心的なテーマです。特に、イエスの地上での奉仕とその意味について強調されています。
- ルカによる福音書:イエス様の人間性と神性の両方を強調して描かれています。イエス様の生涯、その神秘的な誕生、奇跡などが含まれています。
- ヨハネによる福音書:イエス様の神性に焦点を当てています。イエス様の奇跡や説教、最後の晩餐、受難、復活が詳細に描かれています。また、この福音書は霊的な深さと哲学的な側面を持ち、信仰生活の深化に向けて導いてくれます。
上記に続いて「使徒言行録」がこれにあたります。イエス様が十字架の死から復活された後、使徒たちが世界中にイエス様の教えを広める様子を描いています。
使徒たちによる宣教がリアルに読み取れる、熱心な手紙です。これらの手紙は、各地の初代教会に向けて、イエス様の教えと助言を提供するために書かれました。
新約聖書の最後は「黙示録」です。ヨハネによる、7つの教会に宛てた手紙から始まります。そして、ヨハネは不思議な光景を目にします。神様により啓示された、未来の出来事をビジョンで見ます。将来、イエス様が神の御子として再臨し、最終的にサタンや悪霊と戦い、すべての悪を打ち負かすという壮大な光景と共に、涙も労苦もない世界の到来に希望を見出す内容です。
旧約聖書との関連性
そもそもですが、聖書とは、神様と人間の関係についての連続した物語です。旧約聖書は、神様がイスラエルの民と結んだ契約についての話で、新約聖書はその契約がイエス様を通して全人類に広がる話です。もはや民族の垣根を越える、大きなる神様による救いの計画が描かれています。
新約聖書は希望の書
イエス様の役割
新約聖書では、イエス様が過去の歴史で約束されていたアブラハムの子孫として、人の子として誕生します。この方は、創世記から出てきた悪(蛇であり、サタン)を打ち負かし、すべての人をもう一度、神様の元へと戻れるように計画された神の御子でもあります。
イエス様は神の国の到来を告げ、自らを人の子と呼び、すべての人の僕のように振る舞い、救いの計画を成し遂げたのでした。あとは、私たちが神様を知り、立ち返るだけなのです。これが信仰です。
この世界はいずれ終わる
聖書を締めくくる「黙示録」では、イエス様がまた地上にやってくる内容です。イエス様は天から現れて(再臨)、この世界を長く支配してきた悪を打ち負かします。私たちクリスチャンは、悪の滅亡だけを願っているのではありません。何よりも、本当の安息でもある神の国へと入っていけることにすべての希望を見出しています。
まとめ
新約聖書は、旧約聖書と結びつきます。すべてが一貫した流れで構成されています。つまり、アダムとエバといった最初の人から、現代の私たちにかけて、すべての人を対象にした神様の計画の書といっても良いでしょう。
イエス様が再臨されるまでの間、この世界は引き続き、罪に塗れた悪徳な世界です。そんな中でも、耐え忍ぶのがクリスチャンです。聖書に書かれている将来への希望があるからこそです。預言をすべて成就されてきた神様は、招かれたすべての人が神の国へと入れると約束してくださっています。そして、その招きはすべての人にあります。あとはあなたの信仰のみです。