【出エジプト記の映画】プリンス・オブ・エジプト|あらすじ&感想

    私は90年代のアニメ映画が好きです。演出の細部に味があるものが多く、音楽もストーリーも深みがあって感動することが多いからです。そんな私が、子どもの時に観て以来忘れられない、古代エジプトを舞台にしたアニメ映画が忘れられませんでした。それが「プリンス・オブ・エジプト」です。聖書にも忠実な出来上がりで、クオリティの高い素晴らしい映画ですので、ぜひご覧くださいね。

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    プリンス・オブ・エジプトという映画

    プリンス・オブ・エジプト

    プリンス・オブ・エジプトとは、1999年のアニメ映画です。舞台は、旧約聖書の出エジプト記。神様の僕モーセによる、エジプトからヘブライ人の奴隷解放(=出エジプト)という内容です。

    絵柄がディズニー映画?

    プリンス・オブ・エジプト

    パッと見ると、ディズニー映画に見えますが、ドリームワークス・ピクチャーズという制作会社によってつくられた映画です。とはいえ、2006年にディズニーに買収されたようですが。ここで、絵柄の既視感に納得です。

    ディズニー映画の、ヘラクレスやライオンキングのような雰囲気が好きな方は、内容の興味云々はさて置き、楽しめること間違いないです!ましてや、聖書は実話ですので、感動はより深いと思いますよ。

    プリンス・オブ・エジプトのあらすじ

    プリンス・オブ・エジプトは、古代エジプトを舞台にした聖書物語です。ヘブライ人の子として生まれたモーセは、赤子の時にナイル川に流され、エジプトの王女に拾われて、兄ラメセス(のちのファラオ)と一緒に育てられます。

    やがて、モーセは自分の出自とヘブライ人の奴隷の苦しみを知り、エジプトを離れる決意をします。新しい地で家族をつくり、その後、神様からの啓示を受けたモーセは、エジプトに戻ります。ファラオにヘブライ人を解放するよう訴えるためです。そこから、神様によるエジプトへと災いと、ヘブライ人への救いの御業が描かれます。

    プリンス・オブ・エジプトの時系列

    プリンス・オブ・エジプトのあらすじ
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    赤子の頃、ヘ母親によってナイル川に流される
    プリンス・オブ・エジプト
    プリンス・オブ・エジプト

    ここに、母の愛と、神様の計画があります。当時、ファラオの勅令によって、ヘブライ人の男児の初子は殺害されていました。

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    エジプトの王子としての人生
    プリンス・オブ・エジプト
    プリンス・オブ・エジプト

    ファラオの王女が、水浴びの時に赤子のモーセを拾います。ヘブライ人であることは気づいていたでしょうが、この子は神様からの祝福だと感じ、ずっと黙って我が子としました。腹違いの兄として、ラメセスと共にエジプトの王子として育てられます。

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    モーセ、エジプトから逃亡する

    エジプトの彫像や神殿建築のために、ヘブライ人が奴隷として重労働をされ、虐待を受けているのをモーセは目の当たりにします。庇おうとして、エジプト人を殺害してしまい、モーセはすべてを捨ててエジプトから逃亡しました。

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    小さな村でただの若者として歓迎される

    エジプトからの放浪の末、砂漠の中の村に辿り着き、王子としてではなく、一人の若者として歓迎されます。羊飼いになり、ツィポラと結婚し、家族をつくって平和に暮らしていました。

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    ホレブという神の山で、神様と出会う

    モーセは神様と出会い、「ファラオの元へ行き、ヘブライ人を導きなさい」という啓示を受けます。モーセは「私は何者なのか」と葛藤しましたが、神様との対話の中で決意します。

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    モーセ、エジプトに戻る

    兄ラメセス(現ファラオ)と交渉をします。私はヘブライ人だと宣言し、「エジプトからヘブライ人を解放させてほしい」「これは主の命令だ」と。しかし、ファラオは主を知らず、かえって怒り、ヘブライ人にさらなる重労働と虐待を課した。

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    エジプトに降りかかる主の災い

    ファラオの心がかたくなで、モーセの交渉の声は届かなかった。そこで、神様はエジプト全土に対し、人間業では到底敵わない災いをもたらします。ファラオが交渉に応じない度、下記の災いが降りかかりました。そして、いずれもヘブライ人に害を為すことなく、エジプト人に降りかかったのでした。

    1. 血の災い(ナイル川の水が血に変わる)
    2. 蛙の災い(ナイル川から領土や民へすべてに群がる)
    3. ぶよの災い(土の塵がぶよに変わり人や家畜を襲う)
    4. あぶの災い(人家や畑にあぶが満ちる)
    5. 疫病の災い(家畜がすべて死ぬ)
    6. はれ物の災い(膿の出る腫れ物が皮膚を襲った)
    7. ひょうの災い(甚だ激しいりょうが降った)
    8. いなごの災い(あらゆるものを食い尽くし地表を覆った)
    9. 暗闇の災い(3日間エジプト全土が暗闇に覆われた)
    10. 国中の初子の死(最後の災い)
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    エジプトの国を去る

    ついに、ファラオはモーセの要求を飲みます。ヘブライ人の解放と、エジプト人から金銀や衣類を分捕り物として、出エジプトをしました。壮年男子だけで60万人のヘブライ人は、430年をもって神様(とモーセ)に導かれていきました。

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    海を割り、海の中を歩んでいく
    プリンス・オブ・エジプト
    プリンス・オブ・エジプト

    モーセ率いるヘブライ人は、海に辿り着きます。後ろからは、ファラオの軍隊が追ってきました。彼の心は頑なで、殺さずにはいられなかったのです。その時、モーセは神様の御力によって、あるはずのない道が開かれました。

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    ファラオと戦われるのは主

    ヘブライ人は急いで海の道を渡ります。エジプト人は跡を追ってきますが、海の道は崩れて敵をすべて飲み込みました。つまり、ヘブライ人は戦うことなく、すべて神様が戦ってくださったのでした。

    プリンス・オブ・エジプトの見どころ

    モーセの海割りシーン

    プリンス・オブ・エジプト

    このシーンを初めて見た時、ゾクっとさせられました。海の波打つ動きがリアルな上、天まで届きそうな海の水の壁には圧巻でした。ちなみに、このシーンの前後では、ファラオの軍隊が差し迫り、神様が炎の柱でヘブライ人を守られるシーンもあります。とても凄まじい描写でした。

    海の中を歩くシーン

    プリンス・オブ・エジプト

    思わず、「ヒャッ・・・」と声が出そうになる絵面ですよね。こういった演出は、アニメ映画ならではです。プリンス・オブ・エジプトは細かい部分まで素晴らしいです。

    血の災いシーン

    プリンス・オブ・エジプト

    話は遡るのですが、血の災いが徐々に広がっていくシーンには、不気味さすらありました。もはや原理などわからない、神業でした。神様に不可能はないと、初っ端から感じさせられました。血の表現もリアルでした。とにかくすごいアニメ映画ですよ、プリンス・オブ・エジプト!

    【感想1】すべて神様の言ったとおりです

    人の歩む道は主の御目の前にある。 その道を主はすべて計っておられる。 主に逆らう者は自分の悪の罠にかかり 自分の罪の綱が彼を捕える。 諭しを受け入れることもなく 重なる愚行に狂ったまま、死ぬであろう。

    旧約聖書 箴言 5:21-23

    プリンス・オブ・エジプトはアニメ映画ですが、原作は旧約聖書の出エジプト記です。大前提、聖書の読み解きは、同じ聖書内で行います。そこで、私は箴言から見つけました。上記の聖句です。

    神様に立ち返る者は幸い

    人間の進む道は、すべて神様の計画の中にあるということ。偶然のように見えたことでさえ、備えられた計画です。ですから、誤りを諭され、神様に立ち返る者は幸いです。一方で、それでも神様に従わないファラオのように心がかたくなですと、やがては死に行きつきます。ここに、お金持ちだろうが権力があろうが、一夜にして神様はすべて取り上げることができる方です。

    【感想2】神様はプライドを愛されない

    面白いなと思ったのは、プリンス・オブ・エジプトのファラオこと、ラメセスのある言葉です。「私は明けの明星、宵の明星である」と。これ、何度も言っているんですよね。聖書を読まれない方には素通りしそうですが、ある程度読んでいる方にはピンとくるはずです。

    神様がルシファー(サタン)について語る

    暁の子、明けの明星よ。どうしてあなたは天から落ちたのか。国々を打ち破った者よ。どうしてあなたは地に切り倒されたのか。

    旧約聖書 イザヤ書 14:12

    イエス様がご自身を示されて語る

    わたし、イエスは使いを遣わし、諸教会のために以上のことをあなたがたに証しした。わたしは、ダビデのひこばえ、その一族、輝く明けの明星である。

    新約聖書 ヨハネの黙示録 22:16

    つまり、流れの中で言葉を判断すること

    「明けの明星」という美しい言葉は、かつてのルシファーを表しており、黙示録ではイエス様ご自身を示されています。つまり、単語ひとつで判断はできず、文脈で見ていきたいものです。本来は美しいものですが、それを誇るのは違いますよね。言っている意味、伝わりますでしょうか。

    そんなキーフレーズの「明けの明星」。物語の流れを読むに、ラメセス(ファラオ)はこのような言葉を使っているように、また物語を通して感じる高〜いプライドがあります。虚栄心、傲慢、差別的です。自分を大きく見せようとすることは、すべての崩壊に繋がります

    明けの明星のような人は、本来であれば多くの人を導ける立場でもあります。そうでありながら、ファラオはこの道を拒みました。モーセも大層悲しく感じたと思います。

    【まとめ】プリンス・オブ・エジプトは聖書映画の頂点!

    実をいいますと、聖書を読んでいるだけでは、出エジプト記の壮大さは本当の意味では理解できなかったのが私です。その一つに、古代エジプトがどういう世界観なのか、私はあまり知らないからです。また、その当時の重労働がどんなことなのかも知らずでした。ですから、プリンス・オブ・エジプトを見ると、子どもから老人まで、重たい砂の荷物は背中を折って運んでおり、目には輝きがなく、疲れ果てています。背中には鞭打ちの痕があり、アニメながら痛々しかったです。

    また、偶像礼拝の不気味さも描かれている表現力が素晴らしいです。エジプトといえば、ラー、セクメト、ハトホルなど、様々なエジプトの神々がいますよね。これらの像に拠り頼み、不思議な魔術を行う神官も出てきました。実際、こういった話は聖書にも登場します。しかし、これらの権能に対して「わたしは在る」と言われる神様は、お許しになっていません。この不思議は悪魔からくるものです。とはいえ、神様を前にして、何の効力もありません。プリンス・オブ・エジプトでも巧みに描かれていました。

    非常に見応えがあるだけでなく、音楽まで素晴らしい、星5評価では足りないほどの映画でした。

    プリンス・オブ・エジプトはこちらから

    プリンス・オブ・エジプト

    定期的に見たくなる、素晴らしいアニメ映画です。1999年という古い映画ではありますが、今の時代には出てこない味のあるストーリーの、心満たされるような感動を味わうことができます。ちなみに私は、Amazonプライムにて、レンタル課金しました。今思えば、購入した方が良かったかなと思いつつ(また定期的に見たい)。ともかく、素晴らしい映画ですので、ぜひご覧くださいね!

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