私は高校2年生の時、混合した肉の焼いたものを食べて食中毒になったことがあります。腸管出血性大腸菌O157になり、2週間は入院して生死を彷徨っていました。そして大学では栄養学を学び、現在は聖書に出会い、肉の危険性を改めて感じる今日この頃です。食事は人それぞれの判断ではありますが特に「豚肉」は食べない方がいいと思っています。私が16歳頃から今の32歳にかけての叡智を少しお伝えできればと思います。
豚肉の危険性について

1. 食中毒と感染症のリスク
豚肉は食中毒や感染症の原因となり得ます。特に危険視されているのが「E型肝炎ウイルス(HEV)」です。厚生労働省は「豚レバーなどを生で食べると劇症化する恐れがある」と明確に警告しています(厚労省)公式ページ。
また、サルモネラ菌やカンピロバクターによる食中毒も報告されています。2015年には豚肉の生食提供が法律で禁止されました(東京都福祉保健局)参考。
2. 発がん性のリスク
国際がん研究機関(IARC)は、豚肉を含む赤身肉を「おそらく発がん性あり(グループ2A)」、ベーコンなどの加工肉を「発がん性あり(グループ1)」と分類しています(国立がん研究センター)発表。
日本人男性を対象とした研究でも、赤身肉や加工肉の摂取が大腸がんリスクを有意に上昇させることが報告されています(JPHC研究)PMC論文。
3. 心疾患や糖尿病との関連
豚肉に多く含まれる飽和脂肪酸やヘム鉄は、動脈硬化や炎症を促進する要因と考えられています。大規模コホート研究では、赤身肉の多量摂取が心疾患による死亡率を上げると結論づけられています(米国NIH研究)PMC論文。
また、糖尿病や脳卒中など生活習慣病リスクも上昇する可能性が指摘されています(Harvard T.H. Chan School of Public Health)。
4. 化学物質・汚染の問題
豚肉の生産には、成長促進剤(ラクトパミン)などの使用や、環境由来のダイオキシン汚染の事例があり、健康被害との関連が懸念されています(WHO, Wikipedia参照)。
5. 聖書の知恵からみた豚肉の危険性
聖書には、豚肉を否定する聖句があります。それがこちら。
豚、これは、ひずめが分かれており、ひずめが全く切れているけれども、反芻することをしないから、あなたがたには汚れたものである。 あなたがたは、これらのものの肉を食べてはならない。またその死体に触れてはならない。これらは、あなたがたには汚れたものである。
旧約聖書 レビ記 11:7-8
私はクリスチャンなりたての頃は、「(旧約聖書に基づく)ユダヤ教の信心の一つなんだろうなぁ」くらいにしか思っていませんでした。なぜ豚なのだろうと、あまり理解していませんでした。上記の聖句を見ていくと、不思議なことに牛肉はOKだと読み取れます。牛は「蹄が分かれていて反芻する」という条件を満たすため、食べることが許されているからです。
では、豚肉はなぜ食べない方がいいのか・・・これは私の所属しているSDA(セブンスデー・アドベンチスト教会)の創始者エレン・G・ホワイト氏が詳しく説明しております。彼女は主の霊に満たされて、主の知恵で語っているといわれている預言者です。私はこの真偽はわかりませんが、彼女の意見は理にかなっていると思います。以下は引用です。
「病気にかかった動物の体液と肉は血液の中に直接取り込まれ、人の体内を循環し、人の体液と肉となる。このようにして動物の体液が人の体に入ってくる。もし人の血液がすでに汚れていたならば、このような動物の肉を食べることによって血液は大きく悪化する。動物の肉を食べることによって疾病にかかる危険性は10倍に増加する。肉類を習慣的に使用することによって知的・道徳的・身体的力が退化する。肉食は身体組織の秩序を壊し、知力を鈍化させ、道徳的感覚を濁すのである。」
(教会の証、2巻63)エレン・G・ホワイト
「豚肉は最も一般的な食物の1つであるが、最も有害な肉の1つである。神は、ただ権威を示すために豚の肉を食べることをヘブル人に禁止されたのではなく、それが人間のために正しい食物でなかったからである。それは組織をるいれきで満たし、特に温暖な地方においてハンセン病を生じさせ、また様々な種類の病気を起こさせる。そのような地方で組織に及ぼす影響は、もっと寒冷な地方におけるよりもはるかに有害である。しかし神は、いかなる状況下でも、豚肉を食べるようには決して意図なさらなかった。・・・豚肉を食べることによって、るいれきやハンセン病及び癌の体液が生じた。豚肉を食べることが、今でも人類にとって最もひどい苦痛の原因となっている。」
(食事と食物に関する勧告、317、318)エレン・G・ホワイト
「豚の身体組織には、寄生虫がうようよしている。豚に関して、神は、『あなたがたは、これらのものの肉を食べてはならない。またその死体に触れてはならない。これらは、あなたがたには汚れたものである』と言われた。・・・いかなる状況下でも、決して豚の肉を食べるべきではなかった。」
(食事と食物に関する勧告、317)エレン・G・ホワイト
「肉を食べることによって動物のような欲望は強化され、霊性は弱くなる。あなたのように過去のどの時代の人にも任せられたことのない最も厳粛で重大な働きに従事する人は、食べることに注意を払わなければならない。」
(Evangelism, 663)エレン・G・ホワイト
このように、信仰の伝統の中でも豚肉は健康と精神性を害するものとして強く警告されてきました。私はエレン・G・ホワイトのすべてを信じているわけではありませんが、一人の牧者としては耳を傾けるに値する凄い人物だと思っています。何事であれ、人間の言うことを盲信するのは危険です。そこは注意しつつも、ぜひご参考ください。
6.栄養学の限界と人間の身体の神秘
実は私、栄養士でもあります。大学生活4年間では、真面目に不真面目ながらも栄養学を学んできました。
そもそも現代の栄養学は、19世紀〜20世紀にかけて急速に発展した比較的新しい学問です。歴史が浅いです。人間の健康を「たんぱく質」「脂質」「ビタミン」などの成分に分解して理解しようとすることで、欠乏症の克服や食事指導に大きく貢献してきました。
しかし、栄養学には還元主義的な限界があります。肉を「タンパク質の供給源」と合理的にとらえるのは一側面にすぎず、実際の人間の健康は代謝、免疫、精神、遺伝子、環境など、数多の要因が複雑に絡み合って形成されています。
人類が数千年にわたって培ってきた食の知恵や宗教的戒律、伝統医療などの経験的知識を説明しきれていません。聖書や東洋医学、アーユルヴェーダが「肉を避ける」ことをすすめてきた背景には、科学ではまだ解明できない人体の神秘に基づく直観や経験が反映されているのかもしれません。つまり、科学的エビデンスと伝統的知恵の両方を見据えることが、真に健康を守るためには欠かせないのです。
栄養学の発展の歴史(概要)
時代 | 主な出来事・発見 | 特徴 |
---|---|---|
18世紀後半 | ラヴォアジエが代謝研究を開始 | 食べ物=エネルギー源という概念が確立 |
19世紀前半 | 蛋白質・脂肪・炭水化物が同定 | 三大栄養素の枠組みが生まれる |
19世紀後半 | ビタミン欠乏症(脚気・壊血病など)が研究される | 「未知の必須因子」の存在が示唆される |
20世紀前半 | ビタミンが発見・命名される | 栄養学が学問として確立 |
20世紀後半 | カロリー計算、栄養所要量の策定 | 公衆衛生や食事指導に活用される |
21世紀以降 | 生活習慣病、腸内細菌叢、ゲノム栄養学が台頭 | 「成分」だけでなく「個人差」や「全体性」に注目 |
結論:豚肉は「百害あって一理なし」か?
ここまで、さまざまな観点から豚肉は食べない方がいいという理由は語ってきました。とはいえ、人それぞれの価値観があるとは思いますので、判断は個々の自由です。いえ、そもそも人間の意思は自由です。一応ここまでのことをまとめますと、
- 科学的にも宗教的にも豚肉はリスクが大きい
- 生食禁止・発がん性・生活習慣病との関連などエビデンスが蓄積
- 古代からの知恵も、同じ結論を指し示している
- 栄養学の歴史は浅く、人体の神秘はまだ科学で解明されていない
以上です。私個人の意見ですが、健康を守るために、豚肉を「控える」「避ける」ことは、現代においても有効な選択と言えるでしょう。危険性が示唆されるものを、積極的にとる必要はないかなと思っています。

